益川敏英先生の講演会に参加しました
先日、2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川敏英先生の講演会に参加しました。
その内容と感想を簡単に書いていこうと思います。
益川先生とこの講演会について
一応ざっと略歴が紹介されました。
この講演会は論理物理学には一切触れず、
若い研究者に向けて伝えたいことをお話されていた
益川先生のお話の概要
益川先生の今のお仕事
研究の他に大学で講義をしている
生徒に「先生はニコニコ喋ってて面白そうだけど、話してることが全くわからない」と言われたとか。大学はカリキュラムに書いてある講義だけではない
「夜を徹して議論せよ」
->それくらい議論していくと色んなことが見えてくる
先生も議論のライバルの持ってる本を、表面上見栄を張りながら内心うらやましく思い、急いで購入、すぐに読破したとか。
学生の学習について
- 先輩から得る知識というのは確かに習得が早い
しかし、議論をして長く時間を掛けると、他人との接触によりとても刺激を得られる
大学の先生に「これがわからない」と聞いてみたところ、
「こんなこと急に聞かれてわかるか!」と言われたとか。
だから自分で調べたとか。
- 勉強は自分たちでするもの
- 先生は勉強のための基本的なことを教えてくれるだけ
- 「学問自体に対して個性がある」
「自由とは何か」
益川先生がこのような講義をする際、必ずこの話をするそうです。
- 自由だけど程度を越したら怒られちゃうよ!
- 「自由とは必然性の洞察だ」
何かの偉い本に書いてあったとてもむずかしい言葉。
これを益川流にいうと…- レバーが2つあって、左側を引くと100万円が当たる、逆側は自分が死んでしまう
-> これは自由に見えて自由ではないよね(選択肢がないから)
- レバーが2つあって、左側を引くと100万円が当たる、逆側は自分が死んでしまう
ここで、研究の面白話として、ファーブルと蚕の話、アインシュタインの話などが紹介されました。
科学とは
基本的なことが発見されてから100年位経って初めて人の役に立つようになる
最後に先生から
先生は本屋の立ち読みとかで知識を得ることも多いらしいです。
日本人は、自分の専門はこれだ!と決めつけてしまう傾向がある
-> 面白いこと、興味あることにはどんどん手を出していこう!
たとえ文学や哲学などであっても積極的に
向いてないな〜と思ったらやめちゃってもいい!今欲しい物は?
「税金ください!」
会場大爆笑。
僭越ながら私も質問しました。
- 先生の研究がもし何か役に立つとしたらどんなことに役に立って欲しいですか?
「役に立つことは絶対無いし、何に役に立つとか、どのくらいお金がもらえる、みたいな話は考えたことがない」
さらに高校生からこんな質問も。
- 先生にとって物理とは?
「私にとって物理とは飯のタネです」
会場大爆笑。
感想
噂に違わず、とても面白いお話をされる方だなというのが第一印象でした。
そして、研究者として、また何かを学ぶ者として、という心構えの一つを教わったように感じます。
特に、学問自体に対して個性がある、どんどん色んな分野に手を出そう、というのは非常に心に残りました。
非常にためになる、貴重な講演会でした。
益川先生、本当にありがとうございました。