Emacs を自分でビルドしよう (MacOS)
この記事は Emacs Advent Calendar 2023 の 7 日目の記事です。
はじめに
みなさんは自分の好きなエディタはありますか?
私はなんだかんだいってEmacsを愛用しています。
自分で使うツールは自分でビルドしたいですよね?
ということで、Emacsをパッケージマネージャなどを使わずに自分でビルドして入れる方法を紹介します。
私の環境
- Macbook Pro (MacOS 13.4, M1)
必要なものを揃える
XCode の Command line tools と、Homebrew は用意しておきましょう (大体の人は入れてると思いますが)。
libgccjit が必要になるので入れます。
$ brew install libgccjit
ビルドの仕方
まずは git プロジェクトの clone
$ git clone git://git.sv.gnu.org/emacs.git
次に、自分が使いそうなオプションを追加して configure します。
git switch などで特定のリリースをビルドしましょう。
私は master ブランチのままビルドしています。
configure するときにいくつか引数を渡すことで、特定のビルドオプションを ON / OFF できます。 詳しくはここに書いています。
絶対に入れておくべきなのは、--with-native-compilation
です。
Emacs 28 以降、Native Compile にすることで高速に使うことができます。
$ cd ./emacs $ git pull $ ./autogen.sh $ ./configure --with-native-compilation \ --without-x \ --with-ns \ --with-imagemagick \ --with-json
ここまできたら、あとは build のみです。
$ make bootstrap $ make install
configure や bootstrap 中にエラー終了することがありますが、気づきにくいのでよくログを見ておきましょう。
たいていはなにかのパッケージが足りてないので、都度エラーの内容から入れるべきパッケージを入れましょう。
make install
が終わると、 nextstep/
配下に Emacs.app
ができているので、これを /Application
内に移動して完了です。
注意点
結構ビルドが失敗する要因として、libgccjit
と openssl
のバージョンです。
Emacs のバージョンによって最低要件のバージョンなどがあるので、コケたらよく調べておきましょう。
さいごに
「ビルドがコケたら」の話は人それぞれなのと、Emacs を自分でビルドして使いたい人はビルド環境などを調べるのも好きな人が多いと思うので、
解決方法を根気よく探しましょう。
Emacs はオープンソースでビルドが簡単なので、ぜひ思い思いのオプションをつけてビルドしてみましょう!
お世話になった記事
はじめてビルドするとき、大変お世話になりました。